沖縄の表と裏 滞在4日目の雑感
「沖縄には表と裏の顔がある」
初めに自分のことを書いておくと、
僕は東京の会社を辞め、目前に控えていた結婚を辞め、単身那覇にやってきた。
あの生活を続けることで、人生に数十年単位の見通しが立ってしまうことが怖かった。
そしてDJとして、沖縄では何か面白い体験ができそうだと思ったのだった。
「沖縄には表と裏の顔がある」とは、沖縄で15年ほど生活していたDJの先輩の言葉だ。
表とは観光地としての沖縄、裏とはアンダーグラウンドシーンの存在する地元としての沖縄、と解釈していた。
那覇に滞在して4日目。僕はその言葉の本当の意味が分かってきた気がしている。
到着から3日間、僕はこの街の人と音楽を知るため、夜な夜な居酒屋やクラブに足を運んだ。
驚いたのは、地元沖縄の人間よりも、「移住者」の人間によく会ったことだった。
ある居酒屋では、そこにいる5人ほどの若者全員が移住者だった。ある2人は「相模原出身なんだ!地元近いね!」なんて話をしていた。
この街の「移住者」の多さ。
定年を終えた老夫婦の移住ならともかく、若者の移住なんてただごとではない。多くのものを捨てる決断だ。僕にとってもそうだった。
みんななぜ、この街にやってきたのだろうか。前向きな気持ちだったろうか。
沖縄の表の顔。陽気で気楽な南国の楽園。
そして裏の顔は。
僕は口に出すのが怖い。
この街でどう過ごすのか。意志を固くしなければ、僕にとっての沖縄生活も裏に飲まれてしまいそうだ。